はじめに
これまで5回にわたり、約300社の地域企業との対話を通じて見えてきた共通点をご紹介してきました。
企業規模ではなく、「組織の現在地」という視点。採用や離職、管理職育成など、一見別々に見える課題が、「人」というテーマでつながっていること。
そして、組織づくりには順番があり、第一の現在地では土台づくり、第二の現在地では組織化が重要になることをお伝えしました。 今回は、このシリーズの最後として「第三の現在地」と、私たちが考える地域企業支援のあり方についてお話ししたいと思います。
「人」を企業の価値につなげるという考え方
第三の現在地では、人材を「確保する」「育てる」という段階から一歩進みます。
目指すのは、「人」が企業の価値を生み出す組織です。
例えば、
- 社員一人ひとりが自ら考え、行動する。
- 部門を越えて協力し、新しい価値を生み出す。
- シニア人材の経験や知見が組織の資産として活かされる。
- 若手とベテランが互いに学び合う。
- 地域や他企業との共創が新たな挑戦につながる。
約300社との対話の中でも、このような組織には共通する特徴がありました。
それは、「人」を単なる労働力ではなく、企業の未来をつくる存在として捉えていることです。近年、「人的資本経営」という言葉を耳にする機会が増えました。 私たちは、それを制度や情報開示だけの話ではなく、「人が価値を生み出す組織をつくること」だと考えています。
目指すべき姿は、企業ごとに違ってよい
ここで一つお伝えしたいことがあります。
第三の現在地は、「すべての企業が目指すべきゴール」という意味ではありません。企業には、それぞれの歴史があります。地域性があります。経営者の想いがあります。だからこそ、目指す姿も一つではありません。まずは第一の現在地で土台を整えることが重要な企業もあります。第二の現在地で管理職育成に力を入れるべき企業もあります。
大切なのは、「どの現在地が優れているか」ではなく、「今、自社にとって最も優先すべきことは何か」を見極めることです。
私たちが「組織の現在地」という考え方を提案している理由も、そこにあります。
地域企業支援も、「現在地」から始まる
約300社との対話を通じて、私たちは一つのことを強く感じました。
地域企業支援は、「何を提供するか」だけでは十分ではないということです。同じ研修でも、今その企業に必要なタイミングでなければ十分な成果につながりません。同じ制度でも、組織の土台が整っていなければ定着しません。だからこそ、「誰に、いつ、どのように届けるか」という視点が、これからますます重要になると考えています。企業規模ではなく、組織の現在地を見る。課題だけではなく、その背景を見る。正解を示すのではなく、次の一歩を共に考える。 私たちは、このような対話を起点とした地域企業支援が、これからますます重要になると考えています。
今回のまとめ
6回にわたり、約300社との対話を通じて見えてきた気づきをご紹介してきました。
私たちが最もお伝えしたかったのは、「企業規模ではなく、組織の現在地から考える」という視点です。
同じ課題であっても、企業によって背景は異なります。だからこそ、必要な支援も異なります。
「組織の現在地」を知ることは、企業を評価することではありません。今、自社にとって最も優先すべきテーマを見つけるための第一歩です。
本シリーズが、皆さまの組織を見つめ直すきっかけとなれば幸いです。
それでは、実際に皆さまの組織の現在地を確認してみませんか。
あなたの組織の「現在地」を確認してみませんか?
本シリーズでは、「組織の現在地」という考え方をご紹介してきました。
では、実際に皆さまの組織は、今どのような状態にあるのでしょうか。
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※本アセスメントは、企業を評価することを目的としたものではありません。
組織の現在地を整理し、今後の対話や改善活動につなげるためのツールです。
今後について
今回ご紹介した内容は、約300社との対話を通じて見えてきた気づきを、「地域企業 組織の現在地モデル」として整理したものです。
より詳しい内容は、【研究レポート No.001「約300社との対話から見えてきた 地域企業の『組織の現在地』」】でご紹介しています。是非、弊社ホームページをご参照ください。
また、現在は、約300社との対話の中でも特に多くの企業が課題として挙げていた「管理職」をテーマに、研究レポート No.002の作成を進めています。
今後も、現場での対話を通じて見えてきた地域企業の実態や、持続的な成長につながるヒントを、研究レポートやブログを通じて発信してまいります。
※本シリーズは、約300社の地域企業との対話を通じて得られた気づきや傾向をもとに執筆しています。個別企業を評価・紹介するものではなく、地域企業支援の一つの視点としてまとめたものです。

