カーボンフットプリントで未来変える!原田産業の環境負荷の見える化への挑戦
皆様、こんにちは。一般社団法人さいたまサステナブル経営研究所『 サステナ経営の指南役』の青木祥世です。
前回の第1回は、原田産業が全社一丸となって取り組むサステナビリティ経営についてご紹介しました。 今回は、その中でも特に注目すべき取り組みである「カーボンフットプリント(CFP)算定」について深掘りしていきます。
◆なぜCFP算定が重要なのか?
CFPとは、製品の原材料調達から製造、輸送、使用、廃棄までの全段階で排出されるCO2の総量を数値化したものです。この数値を公開することで、自社の製品が環境に与える影響を可視化し、より環境に優しい製品開発につなげることができます。
原田産業がCFP算定に力を入れる理由は、単に自社の製品の環境負荷を減らすためだけではありません。サプライチェーン全体の環境負荷低減を目指し、ビジネスを通じて社会全体に貢献したいという強い思いがあるからです。
◆CFP算定の実践:社員が海外へ!
原田産業では、社員が自ら海外の工場を訪れ、CFPを算定しています。原田産業がCFP算定に際し、社員が海外の工場を訪問することは、単に数値を得るだけではありません。現地での生の情報収集は、より正確なCFP算定だけでなく、以下のような重要な意味を持っています。
• サプライチェーン全体の把握
自社製品が作られる工程を直接目にすることで、サプライチェーン全体の課題を把握し、より効果的な改善策を検討することができます。
• 関係構築
現地の生産担当者と直接コミュニケーションを取ることで、信頼関係を構築し、より深い協力関係を築くことができます。
• 社員の意識改革
現地での活動を通して、社員は自社の製品が社会に与える影響を深く理解し、サステナビリティに対する意識を高めることができます。
クリーンテクノロジーチームLCAエキスパートの李駿也氏は、マレーシアの工場訪問で、電気や水道の消費量、ごみ処理の現状など、普段は開示されない情報を入手することに苦労したと言っています。しかし、これらの情報を集めることで、より詳細なCFP算定が可能になり、結果的に製品の改善に繋がったのです。
◆手袋製品のCFP評価結果公開!
李氏が算定した手袋製品のCFPは、1枚あたり78.2グラムという結果が出ました。この数値は、取引先企業にとって、自社の製品の環境負荷を評価する上で重要な指標となります。
原田産業は、このCFP算定結果を特設サイトで公開し、取引先企業に提供しています。これにより、顧客企業は自社の製品の環境負荷を低減するために、より環境に配慮した素材や製造プロセスを選択できるようになります。
◆手袋製品のCFP算定がもたらすインパクト
手袋製品のCFP算定は、原田産業にとって大きな一歩となりました。
• 取引先企業への貢献
CFP算定結果を公開することで、取引先企業は自社の製品の環境負荷を数値化し、サステナビリティに関する目標達成に貢献することができます。
• サプライチェーン全体の変革
CFP算定を通じて、サプライチェーン全体の環境意識を高め、よりサステナブルな製品開発を促すことができます。
• ブランドイメージ向上
環境に配慮した企業としてのイメージ向上につながり、新たな顧客獲得にも貢献します。
◆事業部への拡大と今後の展望
現在、原田産業では10事業部でCFP算定が進められており、今後も対象となる製品を拡大していく予定となっています。
澤田取締役は、「CFPが、価格と同じように製品の指標の一つとなるような社会を目指したい」と語っています。CFP算定は、単に環境負荷を数値化するだけでなく、以下の効果が期待できます。
• 製品の差別化
環境負荷の低い製品は、消費者の購買意欲を高める新たな差別化要素になります。
• コスト削減
生産プロセスを見直し、環境負荷を低減することで、コスト削減にも繋がることが期待できます。
• リスク管理
気候変動リスクへの対応など、企業の持続的な成長のために不可欠なリスク管理にも貢献します。
◆特設サイトで、サステナブルな商品を
原田産業の特設サイトでは、CFP算定結果だけでなく、環境負荷の低い素材を使った製品や、SDGs達成に貢献できる製品など、様々な角度から商品を紹介しています。
このサイトを通じて、お客様は自社のサステナビリティ目標達成に貢献できる商品を簡単に選ぶことができるようになります。
特設サイトでは、CFP算定結果だけでなく、以下の情報も公開しています。
• サステナブル素材の活用事例
環境負荷の低い素材を使った製品の開発事例
• リサイクル活動の取り組み
使用済みの作業服を回収し、リサイクルする取り組み
• SDGs達成への貢献
各製品がどのSDGs目標に貢献しているか
◆まとめ
原田産業は、CFP算定を通じて、製品の環境負荷を可視化し、よりサステナブルな社会の実現を目指しています。 この取り組みは、企業の社会的責任を果たすだけでなく、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性も秘めています。
私たちも、原田産業の取り組みを参考に、自分たちの生活の中でできることを考えてみませんか?
第2回は、原田産業が取り組むCFP算定やサステナブル素材の活用など、具体的な取り組みについてご紹介してきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
以下の次回予告、お知らせなどもぜひご覧ください。
コラムは、毎週火曜日にアップしています。第3回もお楽しみに!!
◆次回予告
次回(最終回)は、原田産業が描く、より大きなビジョンと、その実現に向けた取り組みについてご紹介します。
どうぞお楽しみに!!
参考記事
創業100年の中堅企業が全社でサステナブル・アクションに挑む理由とは――総合商社、原田産業の事例に見る : サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan 企業が環境・社会・経済の持続可能性を保つ「サステナビリティ経営」の重要性が叫ばれるようになって久しいが、資金や www.sustainablebrands.jp
原田産業HP
グローバル総合商社 原田産業株式会社 原田産業は、造船・海洋・建設・インフラ・エレクトロニクス・医療・介護・食、リテールなどの領域で商品やサービスをグローバルに www.haradacorp.co.jp
注意書き:このメルマガの内容は、上記URLの記事および原田産業HPを私が個人的に読み、私自身が理解した内容を噛み砕いて発信しています。
上記記事に記載されている内容および企業の取り組みを保証するものではありません。
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