よく耳にするスコープ1、2、3の正体、知っていますか?

目次

  1. ◆はじめに
  2. ◆CO2排出量算定の基礎知識
  3. ◆スコープ1の定義と算定範囲
  4. ◆スコープ1の基本的な算定式
  5. ◆具体的な削減対策
  6. ◆業種別の特徴とスコープ1比率
  7. ◆効果的な管理体制の構築
  8. ◆まとめと次回予告
  9. ◆お知らせ

◆はじめに


気候変動は、もはや一部の業界や地域だけの問題ではなく、すべての企業にとって避けて通れないグローバルな経営課題となっています。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)をはじめとした国際的な枠組みや、国内でも進む非財務情報開示の義務化など、企業には自社の温室効果ガス排出量を「見える化」し、戦略的に削減していくことが求められる時代に突入しています。
その第一歩となるのが、自社のCO₂排出量を「スコープ1・2・3」の枠組みで正確に把握することです。しかしながら、これらのスコープは複雑で、企業活動全体にわたる排出源を整理・分類しなければならず、特に中小企業にとってはハードルが高いと感じられることも少なくありません。
本連載では、企業の温室効果ガス排出量を可視化する上で欠かせない「スコープ1・2・3」の概念を、全4回に分けてわかりやすく解説していきます。第1回となる今回は、まず「スコープ1」自社の事業活動における直接排出について、例を交えながら詳しく見ていきます。

◆CO2排出量算定の基礎知識


企業活動に伴うCO2排出量は、国際的な基準であるGHGプロトコルに基づき、以下の3つのスコープに分類されます。

スコープ1:企業が直接排出するCO2
スコープ2:エネルギー使用による間接排出
スコープ3:その他のサプライチェーンでの間接排出

◆スコープ1の定義と算定範囲


スコープ1は、企業が所有・管理する排出源からの直接的なCO2排出を指します。
主な排出源は以下の通りです。

1 固定源からの排出
• 工場・事業所のボイラー
• 自家発電設備
• 製造プロセスでの直接排出

2 移動源からの排出
• 社用車やトラック
• 社有の船舶・航空機

3 その他の排出
• 空調機器からの冷媒漏洩
• 化学反応プロセスからの排出

◆スコープ1の基本的な算定式


活動量×排出係数
CO2排出量(kg−CO2)=活動量×排出係数

主な排出源別の排出係数
・ガソリン L 2.32 kg-CO2/L
・軽油 L 2.58 kg-CO2/L
・都市ガス m³ 2.23 kg-CO2/m³
・LPG kg 3.00 kg-CO2/kg

◆具体的な削減対策


1 設備面の対策
• 高効率設備への更新
• 再生可能エネルギー設備の導入
• 断熱性能の強化
• 電動車両への転換

2 運用面の対策
• エネルギー管理システムの導入
• 適切なメンテナンス体制の構築
• 運転管理の最適化
• 従業員教育の実施

◆業種別の特徴とスコープ1比率


・製造業 40-60% 生産設備からの直接排出が多い
・運輸業 70-90% 車両からの排出が大部分
・サービス業 10-30% 施設の空調が主な排出源
・小売業 5-15% 店舗での直接排出が中心

◆効果的な管理体制の構築


1 組織体制の整備
• 責任部署の明確化
• データ収集体制の確立
• 定期的なモニタリング実施

2 PDCAサイクルの実践
• 目標設定
• 実績把握
• 改善策の立案と実施
• 効果検証

◆まとめと次回予告


今回は、自社が直接的に排出する温室効果ガスすなわちスコープ1について、その定義や具体的な排出源、削減のポイントについて整理しました。スコープ1は、自社の設備や車両、燃料使用など、企業が直接的に管理・コントロールできる領域であり、比較的取り組みやすい反面、正確な把握や継続的なモニタリングが求められます。こうした直接排出の可視化と削減は、気候変動対策の第一歩であり、持続可能な経営の基盤をつくるうえで欠かせない取り組みです。

次回は、スコープ2「購入した電力・熱などに伴う間接排出」について取り上げます。電力使用量の多寡は、業種や業態によって大きく異なりますが、どの企業にとってもエネルギー調達の在り方は、脱炭素の要となる重要な論点です。再生可能エネルギーの活用や契約形態の工夫によって、スコープ2の排出量をどこまで削減できるのか?
次回はそのポイントを、具体的な事例も交えながら掘り下げていきます。
どうぞご期待ください。

◆お知らせ

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