「社員の声が企業を変えた!」〜地方小規模建設企業の業界の常識を覆す取り組みとは〜

目次

  1. ◆企業情報
  2. ◆サステナブル経営にシフトした背景
  3. ◆具体的取り組み内容
  4. ◆取り組みによって得られた効果(数値の変化)
  5. ◆今後の取り組み内容や展望
  6. ◆まとめ
  7. ◆お知らせ

◆企業情報

企業名:三承工業株式会社
所在地:岐阜県岐阜市
設立:2006年3月
従業員数:72人(2024年時点:パート・アルバイト含む)
業種:建築設計・施工管理・住宅事業
事業特性:注文住宅、リフォーム、SDGs支援コンサルティングなど

◆サステナブル経営にシフトした背景


三承工業の変革は、いわば「社員の叫び」と「経営者の病」が引き金となった。2013年に実施された社員アンケートでは、以下の3つの重大課題が明確になった。
 
・職場風土の悪化:上下関係が強く、意見が通りにくい文化
・情報共有不足:部門間の連携が希薄で、非効率な業務が横行
・キャリア形成不全:女性や若手の成長機会が限定的
 
また、自由記載欄に書かれていた「こんな会社、早く辞めたい」という赤裸々な声に、経営陣は大きな衝撃を受けた。さらに、代表取締役の西岡氏が倒れたことで「自分がいなくても会社が回る仕組み」が必要であると痛感し、風土改革と経営の持続可能性を両立させる経営モデルが模索された。その答えが、社員が安心して働ける環境と地域・環境への貢献を両立させる「サステナブル経営」だった。

◆具体的取り組み内容


三承工業は以下の5つの柱を中心に、建設業界の常識を覆す大胆な施策を打ち出した。
 
🔼カンガルー出勤制度(子連れ出勤)
2013年にスタートしたこの制度は、子育て中の社員が子どもを職場に連れて出勤できる仕組みである。当初は「職場の生産性が下がるのではないか」という反対意見も多く、導入は簡単ではなかった。しかし、子どもを預けられずに退職せざるを得ない社員が出ないようにするため、同社はオフィス内にキッズルームを整備。さらに、緊急時にはベビーシッターを手配できる制度も設け、1回2,000円を補助する形で支援している。現在では社員54人中11人(約20%)がこの制度を活用しており、家庭と仕事の両立を可能にする職場環境が浸透している。
🔼ノー残業デー(水曜日17時完全退社)
長時間労働が当たり前とされる建設業界において、毎週水曜日を「ノー残業デー」と定め、全社員が17時に退社することを徹底している。この取り組みにより、以前は月平均80時間を超えていた残業時間が、現在では月20時間程度まで削減された。単に定時退社を呼びかけるのではなく、会議や業務のスケジュールも水曜日に合わせて前倒しに調整されており、制度が形骸化しないよう徹底した運用がなされている。
🔼柔軟勤務制度と給与保証
働き方の柔軟性を高めるために、時短勤務や中抜け勤務といった多様な働き方を制度化。特に注目すべきは、時短勤務を選択した社員にも一定の生活保障を行う仕組みで、給与保証率を80%に設定している点である。たとえば、育児や介護のためにフルタイム勤務が難しい社員でも、経済的な不安を抱えることなく働き続けることが可能となっている。これにより、出産・育児後の職場復帰がスムーズに行われ、制度導入以降の育休復帰者の離職率はゼロを維持している。
🔼イクメン研修
男性社員の育児参加を促進するための独自研修で、父親としての役割や、パートナーとの育児分担のあり方を学ぶプログラムを提供している。建設業界では「男性は家庭を支える側」という固定観念が根強いため、こうした意識改革が必要とされていた。研修を受けたことで、実際に育休を取得した男性社員も現れ、2022年には2名が育休を取得。全体として育児参加率は向上し、職場全体のダイバーシティとワークライフバランスの向上につながっている。

◆取り組みによって得られた効果(数値の変化)

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これらの成果は、単なるCSR活動ではなく、「人の持続可能性」を本気で追求する経営姿勢が、社員のエンゲージメントを高め、結果として業績と社会的評価を押し上げた好例と言える。

◆今後の取り組み内容や展望


三承工業はさらなる進化を目指し、「DX×GX(グリーントランスフォーメーション)」の融合を経営方針に掲げている。現在、以下のような先進的な取り組みを展開または模索中である。
 
🔼技術革新による効率化
・デジタルツイン:施工シミュレーションで工期を20%短縮
・AI勤務管理:人事業務を40%効率化
🔼環境目標
・再生可能エネルギー比率50%達成(2025年目標)
・CO2排出量15%削減(協力業者と連携)
🔼社会的価値の創出
・SDGs研修受講企業:100社突破を目指す
・地域共生活動:若者向けアートコンペを通じ、500人以上とSDGsの啓発活動を実施
・「チーム夢子」発のSDGsバッジ販売:売上の10%をひとり親世帯の支援に充当
 
また、日本カーボンニュートラル協会と連携し、県内200社に向けた脱炭素支援プログラムも進行中である。

◆まとめ


社員の声を経営に活かすサステナブル経営の真価
三承工業の事例は、「サステナブル経営」が理念先行型ではなく、現実のビジネス成果に直結するものであることを証明している。特に注目すべきは、子育て支援や労働環境改善といった「人」への投資が、優秀な人材の確保・定着につながり、それが新規事業の創出や業績向上へ波及している点だ。
 
企業が持続的に成長するためには、自然環境だけでなく、「人間の持続可能性」への配慮が不可欠である。三承工業のように、社員の声を羅針盤として経営を見直し、サステナブルな組織文化を醸成することが、これからの時代の企業競争力となるだろう。

注意書き:この内容は、該当企業を取り上げた複数の記事およびHPなどを私が個人的に読み、私自身が理解した内容を噛み砕いて発信しています。
上記記事に記載されている内容および企業の取り組みを保証するものではありません。

◆お知らせ

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