「発酵で変える未来のカタチ – 新生発酵企業が切り拓く食品ロス削減と人材革命」
目次
- ◆企業基本情報
- ◆サステナブル経営に取り組んだ理由・背景
- ◆具体的な取り組み
- ◆人材面での成果
- ◆その他の成果
- ◆まとめ
- ◆お知らせ
◆企業基本情報
企業名:株式会社ファーメンステーション
所在地:東京都墨田区東駒形2丁目20番2号
設立:2009年7月
資本金:1億1,500万円
従業員数:約20名(2025年3月時点)
事業内容:発酵食品の製造・販売、発酵教育事業、化粧品・雑貨OEM/ODM
◆サステナブル経営に取り組んだ理由・背景
株式会社ファーメンステーションのサステナブル経営は、創業者の個人的な経験と理念に深く根ざしている。環境問題への関心
創業者は学生時代から環境や社会問題に関心を持っていましたが、具体的な行動には結びついていなかった。発酵技術との出会い
テレビで生ゴミからバイオ燃料を作る発酵技術を知り、「ごみをごみではない何かにできる」という発酵の力に魅了された。キャリアチェンジ
金融機関での勤務を経て、発酵技術を学ぶために東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に入学。2009年3月に卒業。地域課題との出会い
在学中に岩手県奥州市の休耕田や耕作放棄地の活用プロジェクトに関わり、これをきっかけに2009年7月に株式会社ファーメンステーションを設立。
創業者は膨大な食品ロスを発酵技術によって価値ある製品に変換できると確信し「Fermenting a Renewable Society(発酵で楽しい社会を!)」というパーパスを掲げ、「未利用資源を発酵することで価値のあるモノ・コトに変え、循環していく世の中を作りたい」という創業当初からの想いを一貫して持ち続けている。
ファーメンステーションは、この発酵技術を活用して食品ロスを削減し、同時に人々の健康に貢献する製品を生み出すことで、持続可能な食のエコシステムを構築することを目指している。さらに、地域農産物の活用を通じて、地域経済の活性化にも寄与したいと考えている。
◆具体的な取り組み
食品ロス削減
ファーメンステーションは、発酵技術を活用して食品ロスの削減に取り組んでいる。
a) 規格外農産物の活用
見た目や大きさが基準を満たさない規格外農産物を買い取り、発酵食品の原料として活用。
b) 余剰食材の発酵加工
飲食店や食品工場から出る余剰食材を回収し、発酵させて新たな製品に生まれ変わらせる。
c) 企業間連携の拡大
R東日本スタートアップ、アサヒグループホールディングスなど大手企業との協業を通じて、シードルの醸造副産物(りんごの搾り残さ)からエタノールを製造するなど、未利用資源の活用範囲を拡大。
地域農産物の活用
地域経済の活性化と、食の地産地消を推進している。
a) 地域特産品の発酵商品化
各地の特産品を使用した独自の発酵食品を開発し、地域ブランドの価値向上に貢献。
b) 農家との直接取引
地域の農家から直接原料を仕入れ、中間マージンを削減することで農家の収入増加を支援。
◆人材面での成果
ファーメンステーションのサステナブル経営への取り組みは、人材面で顕著な成果をもたらした。多様な人材の獲得
ファーメンステーションは、サステナブル経営を通じて多様なバックグラウンドを持つ人材を惹きつけることに成功。
2023年時点での16名のメンバーの内訳は、男女比率は男性62%、女性38%、年代比率は30代31%、40代50%、50代19%と幅広い層で構成。特に注目すべきは取締役の40%が女性であることで、日本企業の平均と比較して高い女性リーダーシップ率を達成。
専門性の高い経営人材の獲得
サステナブル経営を掲げることで、大手企業から高い専門性を持つ経営人材を獲得することに成功。特に以下の人材の加入は会社の成長に大きく貢献した。
・取締役COO 北畠勝太氏
ヘルステックスタートアップの取締役COO経験者。経営目線でディスカッションができる人材として、ファーメンステーションのポテンシャルに惹かれて参画。
・CTO 杉本利和氏
大手酒類メーカーのR&D経験者でスタートアップとのオープンイノベーションも担当。ファーメンステーションの事業に関心を持ち、3年の交流を経て参画を決定。
採用ブランディングの強化
B Corp認証取得(2022年3月)により、日本のスタートアップとして初めて国際的な認証を獲得したことで、採用市場での差別化が可能になった。特にミレニアル世代や環境問題・社会課題に関心を持つ優秀な人材の採用につながっている。インパクトレポートの発行も、企業としての透明性や価値観を伝える重要なツールとなり、志を同じくする人材の採用に寄与している。
組織文化の形成
サステナブル経営の実践が、組織内の共通価値観の形成に貢献している。特に以下の4つのバリューを中心に組織文化が形成されている。
・OPEN AND INCLUSIVE(多様性を尊重)
・THINK, LEARN, NEVER STOP(常に考え、学び、動き続ける)
・CHALLENGE AND CREATE NEW STANDARDS(自分たちにしかできないことに挑戦し、次の常識を作る)
・KNOW YOUR IMPACT(自分の行動のインパクトを常に考え、日々を過ごす)
イノベーション創出
・17種類の未利用資源のアップサイクルに成功
・バイオマスデータシート100種類の作成
・アップサイクル原料製造過程での温室効果ガス9%削減、電力使用量10%削減、水使用量20%削減
これらの成果の背景には、以下のような要因があると考えられる。
・明確なパーパスによる組織の一体感の醸成
・社会課題解決に直接貢献できる仕事内容への共感
・発酵という伝統技術と最新技術の融合によるイノベーションへの期待
・健康的で持続可能な食文化の創造に携わる誇り
◆その他の成果
ファーメンステーションのサステナブル経営は、人材面だけでなく、事業面でも大きな成果をもたらしている。B Corp認証を取得
日本のスタートアップ企業としては初の取得。
B Corp認証とは:
「利益だけでなく、社会や環境へのよい影響も重視している企業」に与えられる国際的な認証制度資金調達の成功
・2021年3月:第三者割当増資により2億円の資金調達
・2024年1月:第三者割当増資により2.3億円の資金調達
特に後者では「SXC投資事業有限責任組合」「株式会社脱炭素化支援機構」「宝ホールディングス株式会社」「TBSイノベーション・パートナーズ合同会社」など多様な投資家から資金を調達している。大手企業との協業拡大
・2023年だけでも45社の企業とアップサイクル事業を共創。外部からの認証・評価の獲得
・B Corp認証取得(2022年3月、日本のスタートアップとして初)
・経済産業省「J-Startup」「J-Startup Impact」選定
・サステナブルコスメアワード2022 SILVER賞(MOTHER EARTH主催)
・グッドデザイン賞 グッドデザイン・ベスト100受賞(2023年、「リンゴだったサニタイザー」)
・Beyond Sustainability2023「環境部門」受賞(Business Insider Japan主催)
・Forbes JAPAN 日本発「ネイチャーポジティブ」に資する50社に選定
◆まとめ
ファーメンステーションのサステナブル経営は、日本の伝統的な発酵技術を現代の社会課題解決に活かす革新的なアプローチを示している。
「Fermenting a Renewable Society(発酵で楽しい社会を!)」というパーパスのもと、食品ロス削減と地域農産物の活用を通じて、持続可能な食のエコシステム構築を牽引している。
同社の取り組みは、食品産業における循環型経済の実現可能性を示すとともに、伝統技術と最新技術の融合による新たな価値創造の可能性を提示している。
ファーメンステーションの挑戦は、日本の食文化の未来に新たな可能性を開き、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となっている。
注意書き:このメルマガの内容は、該当企業を取り上げた複数の記事およびHPなどを私が個人的に読み、私自身が理解した内容を噛み砕いて発信しています。
上記記事に記載されている内容および企業の取り組みを保証するものではありません。
◆お知らせ
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