「環境と人を紡ぐ印刷革命」 〜 老舗印刷会社が切り拓くサステナブル経営の新地平〜

◆目次

  1. ◆企業基本情報
  2. ◆サステナブル経営に取り組んだ理由・背景
  3. ◆具体的な取り組み
  4. ◆人材面での成果
  5. ◆その他の成果と今後の展望
  6. ◆まとめ
  7. ◆お知らせ

◆企業基本情報


企業名:大川印刷株式会社
所在地:神奈川県横浜市戸塚区上矢部町2053
設立:1881年(明治14年)
資本金:2,000万円
従業員数:40名(2023年4月時点)
事業内容:印刷業、出版業、デザイン業

◆サステナブル経営に取り組んだ理由・背景


大川印刷株式会社がサステナブル経営に取り組んだ背景には、140年以上の歴史を持つ同社の企業理念と、現代社会が直面する環境問題への危機感があった。
 
創業以来、「お客様に喜んでいただき、社会に貢献する」という理念を掲げてきた大川印刷は、2000年代に入り、印刷業界が抱える環境負荷の大きさに直面した。紙の大量消費、有害な化学物質の使用、エネルギー消費による CO2 排出など、従来の印刷プロセスが環境に与える影響は無視できないものであった。
 
同社の5代目社長は、この状況を「印刷を通じて社会に貢献する」という理念に反するものと捉え、環境に配慮した印刷プロセスの確立が、企業の社会的責任であり、同時に事業の持続可能性を高める鍵になると確信した。
そこで大川印刷は、「印刷で人々を幸せにする」という新たなパーパスを掲げ、環境配慮型印刷の推進とSDGs啓発活動を柱としたサステナブル経営への転換を決断。この決断は、単なる環境対策ではなく、印刷業の未来を見据えた戦略的な選択でもあった。

◆具体的な取り組み


🔼環境への配慮
大川印刷は、環境負荷を最小限に抑えた印刷プロセスの確立に取り組んでいる。
a) ベジタブルインキの使用
石油系溶剤の代わりに植物油を使用したインキを採用し、VOC(揮発性有機化合物)の排出を大幅に削減。
b) FSC認証紙の活用
持続可能な森林管理を支援するFSC認証紙の使用を積極的に推進。
c) 水なし印刷技術の導入
有害な現像液を使用せず、水も使わない印刷技術を導入し、環境負荷と資源消費を削減。
d) グリーン電力の活用
工場で使用する電力の100%を再生可能エネルギーでまかなう。
e) カーボンオフセット印刷の提供
印刷プロセスで発生するCO2を相殺するカーボンオフセット印刷サービスを提供。
 
🔼SDGs啓発活動
大川印刷は、自社の取り組みを社会に広げるため、積極的なSDGs啓発活動を展開している。
a) SDGsセミナーの開催
企業や自治体向けにSDGsセミナーを定期的に開催し、持続可能な社会の実現に向けた啓発。
b) SDGs関連出版物の制作
SDGsに関する書籍や教材の制作を通じて、広く一般への啓発活動。
c) 地域連携プロジェクトの推進
地元の横浜市や神奈川県と連携し、SDGsを軸とした地域活性化プロジェクトを推進。
d) SDGs教育支援
地域の学校と連携し、子供たちへのSDGs教育プログラムを提供。
 
🔼働き方改革の推進
大川印刷は、サステナブル経営の一環として、従業員の働き方改革にも注力している。
a) フレックスタイム制の導入
柔軟な勤務時間を可能にし、ワークライフバランスを向上。
b) テレワークの推進
コロナ禍を契機に、印刷業界では珍しいテレワーク制度を導入。
c) 副業の許可
従業員のスキルアップと収入増を目的に、副業を許可する制度を導入。
d) 社内起業制度の創設
新規事業のアイデアを持つ従業員に対し、社内起業を支援する制度を新設。

◆人材面での成果


大川印刷のサステナブル経営への取り組みは、人材面で顕著な成果をもたらした。
 
1、採用力の強化
・新卒採用における応募者数が3倍に増加(2019年比)
・2022年度の新卒採用では、応募倍率が20倍を超える
・環境やSDGsに関心の高い学生からの応募が急増
2、従業員満足度の向上
・従業員満足度調査で「仕事にやりがいを感じる」と回答した社員の割合が75%から92%に上昇(2018年→2022年)
「会社の方針に共感できる」と回答した社員の割合が80%から95%に向上(2018年→2022年)
3、離職率の低下
・年間離職率が10%から3%に低下(2018年→2022年)
・特に入社3年以内の若手社員の離職率が大幅に改善(15%→2%)
4、ダイバーシティの推進
・女性管理職比率が10%から30%に上昇(2018年→2022年)
・障がい者雇用率が法定率を上回る3.5%を達成(2022年)
5、スキル向上と イノベーション
・社内起業制度を利用した新規事業提案が年間10件以上に増加
・SDGs関連の資格取得者が全社員の80%を超える(2022年時点)
 
これらの成果の背景には、以下のような要因があると考えられる。
 
・明確なパーパスによる組織の一体感の醸成
・環境保護やSDGsへの貢献を通じた仕事の意義の再確認
・柔軟な働き方を可能にする制度の充実
・社会課題解決に直接貢献できる仕事内容への共感

◆その他の成果と今後の展望


大川印刷のサステナブル経営は、人材面だけでなく、事業面でも大きな成果をもたらしている。
1、環境配慮型印刷の売上比率が全体の70%を超える(2022年度)
2、SDGs関連事業(セミナー、出版等)の売上が前年比50%増(2022年度)
3、顧客満足度調査で「非常に満足」と回答した割合が85%に上昇(2022年)
 
これらの取り組みにより、大川印刷は2021年に「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞するなど、社外からも高い評価を受けている。
 
今後の展望として、大川印刷は以下のような取り組みを計画している。
1、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
・AI・IoTを活用した印刷プロセスの更なる効率化
・デジタル印刷技術の高度化による小ロット・オンデマンド印刷の拡大
2、サーキュラーエコノミーの実現
・使用済み印刷物のリサイクルシステムの構築
・バイオマス素材を活用した新しい印刷材料の開発
3、地域貢献活動の拡大
・横浜市と連携したSDGs教育プログラムの全市展開
・地域の中小企業向けSDGsコンサルティング事業の立ち上げ
4、グローバル展開
・アジア諸国を中心に、環境配慮型印刷技術の輸出を計画
・国際的なSDGs関連イベントへの積極参加

◆まとめ


大川印刷のサステナブル経営は、伝統的な製造業がいかにして社会課題の解決と事業の持続的成長を両立させるかを示す、優れたモデルケースとなっています。「印刷で人々を幸せにする」というパーパスのもと、環境配慮型印刷の推進とSDGs啓発活動を通じて、印刷業界全体の変革を牽引している。
 
同社の取り組みは、中小企業がいかにしてサステナビリティを経営の中核に据え、それを競争力の源泉とできるかを示す重要な事例となっている。大川印刷の挑戦は、日本のものづくり産業全体に新たな可能性を提示し、持続可能な社会の
実現に向けた重要な一歩となっている。

注意書き:このメルマガの内容は、該当企業を取り上げた複数の記事およびHPなどを私が個人的に読み、私自身が理解した内容を噛み砕いて発信しています。
上記記事に記載されている内容および企業の取り組みを保証するものではありません。

◆お知らせ

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