「土からはじまる食の革命 」〜 有機農業企業が切り拓く持続可能な農業と人材育成の新地平〜
◆企業基本情報
企業名:株式会社坂ノ途中
所在地:京都府京都市下京区朱雀分木町80-1
設立:2009年3月
資本金:1億円(2023年4月時点)
従業員数:約100名(2023年4月時点)
事業内容:有機野菜の生産・販売、農業コンサルティング、飲食店経営
◆サステナブル経営に取り組んだ理由・背景
株式会社坂ノ途中がサステナブル経営に取り組んだ背景には、日本の農業が直面する深刻な課題がありました。高齢化による農家の減少、環境負荷の高い慣行農法の問題、そして食の安全性への懸念など、日本の農業は多くの課題を抱えている。
創業者は、大学時代に有機農業に携わった経験から、これらの課題に対する解決策として持続可能な農業の可能性を確信していたが、有機農業は手間がかかり収益性が低いという一般的な認識があり、若者の参入が少ないのが現状だった。
そこで坂ノ途中は、「100年先もつづく、農業を」というパーパスを掲げ、有機農業の推進と若手農家の支援を柱としたサステナブル経営に取り組むことを決意した。この決断は、日本の農業の未来を変えるだけでなく、食を通じて持続可能な社会を実現するという大きなビジョンに基づいている。
◆具体的な取り組み
🔼有機農業の推進
坂ノ途中は、環境に配慮した持続可能な農業を推進している。
a) 有機栽培技術の開発と普及
独自の有機栽培技術を開発し、契約農家に提供しています。これにより、収量と品質の安定化を実現。
b) 有機JAS認証の取得支援
契約農家の有機JAS認証取得を全面的に支援し、認証農産物の生産拡大に貢献。
c) 土壌分析サービスの提供
定期的な土壌分析を行い、各農地に最適な栽培方法を提案。
d) 生物多様性の保全
農薬や化学肥料を使用しない栽培により、農地の生物多様性保全に貢献。
🔼若手農家の支援
新規就農者の育成と支援に力を入れている。
a) 新規就農者研修プログラム
1年間の実地研修プログラムを提供し、技術や経営のノウハウを伝授。
b) 農地のマッチング
新規就農者と遊休農地のマッチングを行い、スムーズな就農をサポート。
c) 販路の確保
契約農家の生産物を全量買い取り、安定した収入を保証。
d) 経営コンサルティング
農業経営の効率化や収益性向上のためのコンサルティングを提供。
🔼食育と消費者啓発
持続可能な農業の価値を消費者に伝える活動を展開している。
a) 定期宅配サービス「坂ノ途中のおやさい」
有機野菜の定期宅配を通じて、消費者と生産者をつなぐ取り組みを行っている。
b) 農業体験イベントの開催
消費者が農業を体験できるイベントを定期的に開催し、食と農の大切さを伝えている。
c) レストラン「坂ノ途中」の運営
自社農園の有機野菜を使用したレストランを運営し、食の価値を直接伝えている。
d) 食育プログラムの提供
学校や企業向けに食育プログラムを提供し、持続可能な食の重要性を啓発している。
🔼ユニークな制度・福利厚生
他社にはあまり見かけないユニークな制度や福利厚生を意識的に導入。
a) まかいいごはん
野菜をたっぷり使ったまかないがほぼ毎日。
日々扱うお野菜の勉強にもつながっている。
b) 休暇制度
自分祝日・Go Green休暇・お出かけ、ひきこもり手当
ちょっと変わった休暇制度や手当で遊び心を取り入れた経営を実践。
c) 育休取得の促進
女性取得100%、男性取得も75%と会社全体で取得することが当たり前の環境を醸成。また、復職率も100%となっている。
d) その他の福利厚生
・ご近所引越し奨励金
・自転車通勤補助
・書籍購入補助制度 など
◆人材面での成果
坂ノ途中のサステナブル経営への取り組みは、人材面で顕著な成果をもたらした。
🔼社員の定着率向上
・社員の定着率が95%に向上(2018年:85% → 2022年:95%)
・特に入社3年以内の若手社員の定着率が大幅に改善(70% → 92%)
🔼農家パートナーの増加
・2019年231軒→2021年346軒
・新規就農者の5年後の営農継続率が90%を超える(業界平均は約50%)
🔼採用力の強化
・新卒採用における応募者数が前年比5倍に増加(2021年 → 2022年)
・インターンシップ参加者の70%が入社を希望
🔼従業員満足度の向上
・従業員満足度調査で「仕事にやりがいを感じる」と回答した社員の割合が88%に上昇(2022年)
・「会社のミッションに共感できる」と回答した社員の割合が95%に達する(2022年)
🔼ダイバーシティの推進
・女性管理職比率が40%に上昇(2018年:20% → 2022年:40%)
これらの成果の背景には、以下のような要因があると考えられる。
・明確なパーパスによる組織の一体感の醸成
・持続可能な農業を通じた社会貢献への共感
・若手農家の成功事例が生み出すポジティブな循環
・食と農の価値を直接伝える機会の提供
◆その他の成果と今後の展望
坂ノ途中のサステナブル経営は、人材面だけでなく、事業面でも大きな成果をもたらしている。
・お野菜セット定期便の会員数が9,000件を突破(2022年時点)
・有機野菜の生産量が年間1,000トンを突破(2022年度)
・取引先レストラン数が1,000店舗を超える(2022年時点)
・コーヒーの生豆出荷量が4倍に成長(2020年→2022年)
今後の展望として、坂ノ途中は以下のような取り組みを計画している。
🔼再生農業の推進
・土壌の炭素貯留能力を高める農法の開発と普及
・2025年までに全契約農家での導入を目指す
🔼テクノロジーの活用
・AIやIoTを活用した精密農業システムの開発
・ブロックチェーン技術を用いたトレーサビリティシステムの構築
🔼海外展開
・アジア諸国での有機農業支援事業の展開
・2025年までに5カ国での事業立ち上げを目指す
🔼食品ロス削減への取り組み
・規格外野菜を活用した加工食品事業の拡大
・フードバンクとの連携強化
🔼農業のカーボンニュートラル化
・再生可能エネルギーを活用した農業生産システムの開発
・2030年までに全事業でのカーボンニュートラル達成を目指す
坂ノ途中のサステナブル経営は、日本の農業が直面する課題に対する革新的な解決策を提示している。「持続可能な農業を実現する」というパーパスのもと、有機農業の推進と若手農家の支援を通じて、農業界全体の変革を牽引している。
同社の取り組みは、農業を通じた持続可能な社会の実現という大きなビジョンを示すとともに、若者が農業に魅力を感じ、キャリアとして選択する可能性を広げている。坂ノ途中の挑戦は、日本の第一次産業の未来に新たな可能性を提示し、食と農を通じた持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となっている。
注意書き:このメルマガの内容は、該当企業を取り上げた複数の記事およびHPなどを私が個人的に読み、私自身が理解した内容を噛み砕いて発信しています。
上記記事に記載されている内容および企業の取り組みを保証するものではありません。
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