企業のCO2排出量算定入門 第2回:スコープ2の解説
目次
- ◆はじめに
- ◆スコープ2の定義と算定範囲
- ◆算定方法の詳細
- ◆基本算定式
- ◆具体的な削減対策
- ◆業種別特性とスコープ2比率
- ◆効果的な管理体制の構築
- ◆再生可能エネルギー導入のステップ
- ◆まとめと次回予告
- ◆お知らせ
◆はじめに
前回のスコープ1に続き、今回は購入した電力・熱の使用に伴う間接排出である「スコープ2」について解説します。スコープ2は、多くの企業にとって重要な排出源であり、特にオフィスや商業施設を持つ企業では、全体の排出量の中で大きな割合を占めています。
◆スコープ2の定義と算定範囲
スコープ2は、以下の2つの主要カテゴリーから構成されます。
1 購入電力の使用による排出
• オフィス設備(照明、空調、OA機器)
• 工場設備(製造ライン、ユーティリティ)
• 店舗・施設の運営
2 購入した熱の使用による排出
• 地域冷暖房システム
• 購入蒸気
• 温水・冷水供給
◆算定方法の詳細
スコープ2の算定には、以下の2つのアプローチがあります:
1 ロケーション基準方式
– 地域の平均的な排出係数を使用
– 立地する電力網の特性を反映
– 一般的な報告での基本アプローチ
2マーケット基準方式
– 個別契約の排出係数を使用
– 再エネ証書等の取り組みを反映
– より実態に即した算定が可能
◆基本算定式
CO2排出量(kg−CO2)=エネルギー使用量×排出係数
エネルギー源別の排出係数例
🔼購入電力
kWh
0.375-0.498 kg-CO2/kWh
🔼蒸気
GJ
0.060 kg-CO2/GJ
🔼温水
GJ
0.057 kg-CO2/GJ
🔼冷水
GJ
0.053 kg-CO2/GJ
◆具体的な削減対策
1 エネルギー効率の向上
• 高効率機器への更新
• 建物の断熱性能強化
• 運用改善とチューニング
2 再生可能エネルギーの活用
• 再エネ電力メニューへの切替
• 非化石証書の活用
• 自家消費型太陽光発電の導入
3 エネルギーマネジメント強化
• BEMSによる可視化と制御
• AIを活用した最適運用
• 従業員の意識向上施策
◆業種別特性とスコープ2比率
業種・スコープ2比率・主な特徴と対策
🔼IT・通信
70-80%
データセンターの省エネ化が重要
🔼小売業
50-70%
店舗照明・空調の最適化
🔼オフィス系
60-80%
ワークプレイス改革との連携
🔼製造業
30-50%
生産設備の効率化が鍵
◆効果的な管理体制の構築
1 データ収集・分析体制
• 使用量の自動計測
• 定期的な分析レポート
• 改善PDCAの確立
2 目標設定とモニタリング
• 科学的根拠に基づく目標設定
• 進捗管理の仕組み構築
• 部門別の責任体制
3 情報開示と外部評価
• ESG情報としての開示
• 環境格付けへの対応
• ステークホルダーとの対話
◆再生可能エネルギー導入のステップ
1 現状分析フェーズ
• 使用量と費用の把握
• 導入可能性調査
• コスト試算
2 計画策定フェーズ
• 目標設定
• 調達方針の決定
• 予算化と承認
3 実行フェーズ
• 段階的な導入
• 効果検証
• 改善策の実施
◆まとめと次回予告
スコープ2は、企業の環境負荷削減において重要な位置を占めており、特に再生可能エネルギーの活用により大幅な削減が可能です。適切な管理体制の構築と継続的な改善活動が成功の鍵となります。
次回は、サプライチェーン全体でのCO2排出量を考慮する「スコープ3」について解説します。
◆お知らせ
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