中小企業こそSDGs経営に取り組むべき理由(第1弾)~理念と本業をつなぐ、新たな経営戦略としてのSDGs~
目次
- ◆なぜ「中小企業にこそSDGs経営が必要」なのか?
- ◆SDGsはCSRと何が違うのか?
- ◆中小企業とSDGsの親和性は実は高い
- ◆中小企業を取り巻く環境変化と「見える化」の重要性
- ◆第1弾のおわりに
- ◆お知らせ
◆なぜ「中小企業にこそSDGs経営が必要」なのか?
2015年、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、2030年を目標年次とする世界共通の課題解決フレームです。
17のゴールと169のターゲットは、環境・社会・経済にまたがる広範な領域をカバーしており、企業にとっても今や無視できない指標となっています。
日本国内でも、多くの大手企業がSDGsを経営方針や事業活動に取り入れ、統合報告書やサステナビリティレポートを通じて情報開示を強化しています。
一方で、「SDGsは大企業の話」「うちは規模が小さいから関係ない」という声も中小企業からは聞かれます。
しかしながら、現代の社会課題の多くは、地域や日常の暮らしと直結した領域に存在しており、地域に根ざして活動する中小企業こそ、その課題解決に重要な役割を果たせる存在です。また、労働力人口が激減の一途を辿るこの日本において、中小企業こそ、企業ブランディングの再構築(選ばれる企業になるために)をSDGs経営の打ち出しによって他社との差別化を見える化することこそが生き残る唯一の方法であるとも言えます。
上記のことから、以下のような課題は中小企業の経営と密接に関係しています。
・地方の雇用の維持・創出
・若者や女性、高齢者の就業機会の提供
・地場産業の継承と地域資源の活用
・脱炭素化、エネルギーの地産地消
・教育や福祉との地域連携
SDGsは単なる「社会貢献のチェックリスト」ではなく、企業が本業を通じて、社会課題に向き合いながら持続的な価値を生み出す経営の羅針盤です。
その意味で、限られた資源の中でも柔軟かつ地域密着型の経営を行う中小企業こそ、SDGs経営の主役になり得るのです。
◆SDGsはCSRと何が違うのか?
SDGs(持続可能な開発目標)とCSR(企業の社会的責任)は、どちらも企業が社会や環境に対して責任ある行動をとるという点で重なりますが、その目的・範囲・構造には明確な違いがあります。
中小企業がSDGsに取り組む意義を正しく理解するためには、両者の違いを整理しておくことが不可欠です。
【CSR:社会的責任としての「善意」の行動】
CSRは「Corporate Social Responsibility」の略で、企業が法律やルールの枠を超えて、自発的に社会的責任を果たそうとする概念です。
典型的なCSR活動には、寄付活動、地域清掃、植林、災害支援などがあり、いずれも企業の本業とはやや距離のある「社会貢献活動」として実施されることが多く見られます。
CSRは特に2000年代に重視されるようになり、日本では2003年に経済産業省が「CSR政策」を策定、以後多くの企業がCSR報告書を発行するようになりました。
ただし、CSRは必ずしも企業の経営戦略や本業と直結しているとは限らず、「やっているが社内で知られていない」「本業とは別の部署が行っている」といった事例も多く見られました。
【SDGs:本業を通じた価値創造と社会課題の解決】
一方、SDGsは、2015年に国連加盟193か国が採択した「2030年までに持続可能な世界を実現するための17の目標」です。
最大の特徴は、あらゆる業種・規模の企業が自らの本業を通じて、社会課題の解決と企業の成長を同時に追求する枠組みであるという点にあります。
経済産業省はこれを「SDGs経営」と呼び、以下のように定義しています:
“SDGsを起点に自社の環境・社会課題を再認識し、持続可能性と競争力を両立させる経営”
これはCSRのような「余剰資源を使った社会貢献」ではなく、企業の中核となる製品・サービス・人材育成・調達・エネルギー管理などの本業を通じてSDGsに貢献し、同時に価値を創出していく取り組みを意味します。

このように、SDGsはCSRの進化版ではなく、「経営と一体となった成長戦略」として位置づけられており、大企業だけでなく中小企業にとっても実利的な意義があります。特に中小企業にとっては、地域密着や現場力といった「自社らしさ」を活かしたSDGs経営が競争力の源泉になる可能性を秘めています。
◆中小企業とSDGsの親和性は実は高い
一見すると、SDGsは「大企業やグローバル企業が取り組むもの」というイメージを持たれがちです。
しかし、SDGsが重視する価値観(地域との共生・多様性の尊重・長期的視点・人を中心とした成長)は、中小企業がもともと大切にしてきた価値観と高い親和性を持っています。
たとえば、多くの中小企業では以下のような営みが日常的に行われています。
・地元住民とのつながりを大切にする採用・雇用方針
・子育てや介護に配慮した柔軟な働き方
・工場や店舗周辺の清掃活動
・学校や地域行事への協力・出前授業
・長年にわたる技術継承・人材育成
これらはSDGsのゴール8「働きがいも経済成長も」、ゴール11「住み続けられるまちづくり」、ゴール4「質の高い教育」などに該当するものであり、すでに多くの中小企業が無意識のうちにSDGs的な価値創造を実践しているのです。
◆中小企業を取り巻く環境変化と「見える化」の重要性
中小企業を取り巻く経営環境はここ数年で大きく変化しています。
特に以下の3つの動向はSDGs経営との関係が深く、今後の経営判断に影響を及ぼします:
1. 人手不足と採用競争の激化
2. サプライチェーン全体への責任要求の強化
3. 地域からの信頼獲得と自治体連携
このような背景から、自社の強みと社会課題の接点を言語化・可視化する「SDGsの見える化」は、ブランディングや経営戦略の核になりつつあります。
◆第1弾のおわりに
中小企業にとってSDGs経営とは、「新たな負担」ではなく、「今ある強みを活かしながら信頼と価値を育てる機会」です。
これまで大切にしてきた地域とのつながり、従業員との絆、持続的な技術やサービス――それらを未来志向で再定義し、次世代に継承していくことこそが、SDGs経営の本質といえるでしょう。
次回の第2弾では、実際にSDGs経営を導入するためのステップや、社内浸透、ステークホルダーとの連携、評価・改善のプロセスについて、より具体的に解説します。
◆お知らせ
🔼採用や離職防止の取り組みに悩まれている方、お気軽に無料オンライン
相談をご活用ください。
お悩みや課題をお伺いし、解決策をご提案いたします!!
無料オンライン相談のお申し込みはこちらから
CrowdCalendarクラウドカレンダーとは、Googleカレンダーと連携し日程調整のあらゆる面倒を払拭するWebサービスです。crowd-calendar.com
🔼公式LINE始めました!!お友達募集中!!
最新情報をLINEで配信中!定期的にLINE限定のお得な情報をお送りします。
以下のリンクから公式アカウントを友だち追加できます。
🔼【中小企業対象!27年度大企業に対するサステナ情報開示義務化対応のための新サービス】
※全国対応可能